『ウィーン・モダン』展を観て想うこと

大阪 中之島の国立国際美術館にて2019年8月27日から開催中の『ウィーン・モダン』展を観に行って来ました。

 

この展覧会は1年前からチェックしていて、私の中の2019年絶対行きたい展覧会の最上位にランク付けしていました‼︎

 

  

何故そこまで行きたかったというと、新婚旅行で行ったウィーンのべルヴェデーレ宮殿で観たエゴン・シーレの作品(決して美しいとは言い難く、ジョジョの奇妙な冒険のうような画風)に、何とも言えないパワーと魅力を感じたからです。

 

私は中学の頃に美術で5段階評価の「2」をもらった程。。。

 

☝ ベルヴェデーレ宮殿

 

 

美術的センスも無ければ知識もないので、その時まで、「エゴン・シーレ」という画家の存在すら知りませんでした。

 

 

しかし、この画家の存在を知り、19世紀末から20世紀初頭にウィーンで花開いた『世紀末芸術』を少し調べてみると、その時代背景と相まってなかなかに興味深い時代であることが分かります。

 

今回の展示では、ウィーンというヨーロッパの内陸部にある都市が、どのようにして「芸術の都」として大発展を遂げていったのかを美術や芸術、工芸や建築、デザインといったあらゆる面からフォーカスしています。

 

☝アルベルティーナ広場から見たウィーン・オペラ座

 

この展覧会では、ウィーン世紀末芸術の繁栄の一因として、18世紀後半から19世紀前半にかけてのウィーンの急速な都市化・近代化を挙げています。

 

都市が巨大化するにつれ、権威主義的な支配と住民への監視が強化されていった時代。あらゆる著作物や言論、絵画などに対し徹底的な検閲が実施される中で、住民の考えは、自らの暮らしを豊かにする事に次第にシフトしていき、その流れがウィーン世紀末芸術へと繋がっていったと考察されています。

 

 

このことは、私にとって非常に興味深く...、

 

昨今の「民藝」人気。あるいは「働き方改革」と言われるものなど、「暮らしを豊かに」という類いのテーマは、ここ最近の社会風潮に共通するキーワードのひとつかもしれません。

 

ここに、「歴史は繰り返される。」という言葉と、「逆もまた真なり。」という言葉を仮に「正」とした場合、この頃のウィーンの時代背景と現代とにおいて、何かしら類似するものがあるのではないか?と考えてしまいます。

 

 

☝ちょっと霞んでいますが、大観覧車から見たウィーンの街並み

 

そして、こんな気難しいことを考えながら館内を回遊していた私を、強く惹きつけた作品は、やはりエゴン・シーレでした。

 

 

☝ エゴン・シーレ「ひまわり」1909-10年
(※これはミュージアムショップで購入したポスターです。。。)

 

「ひまわり」というと、ゴッホが描くような鮮やかに咲き誇った「ひまわり」を想像します。ゴッホの亡くなった年に生まれ、そして、この絵を描いた当時、明るい未来を夢見る20歳の若者 シーレに、こんな枯れ疲れ切った「ひまわり」を描かせる時代とは、一体どんな時代だったのだろうか?

それは、第1次世界大戦の開戦前、戦争の足音が忍び寄る時代です。

 

枯れているにもかかわらず、細い幹で倒れずに直立している。この絵が持つ何とも言い難いパワーにしばらく魅入ってしまいました。

 

おそらく、この作品は彼自身の内面的なものを描いたものだろうと、私は解釈しました。

 

 

 ☝クリムト作「エミーリエ」は、写真撮影可です!

 

表向きは豪華絢爛に見える『ウィーン世紀末芸術』も、その時代背景、そして、つい100年程前の話である事を知ると、いろいろと考えさせられる展覧会でした。

 

今回のブログはあくまでも私が個人的に感じた感想なので、いろいろと違った見方でこの『ウィーン・モダン』展を愉しんでもらえるための参考になれば幸いです。

 

会期は、2019年12月8日(日)まで。詳しくは、国立国際美術館のホームページをご覧になってください。

 

 

本日も最後まで読んでいただき、有難う御座いました!!

 

 

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